法政策学科/前期/講義

民事執行・保全法   3・4年次  前期  2単位  講義   河村 基予

1.授業概要

 権利関係の存否につき紛争が発生したとき、権利関係を確定させるためには、最終的に裁判所に委ねざるをえない。これが民事訴訟であるが、それは権利義務の存否を判定する段階までの話であり、これ以降のことは守備範囲ではない。したがって、仮に原告主張の通り権利が存在し、原告の請求に理由があるとの判決が下されても、被告が任意に判決内容通りの履行をしなければ、折角の民事訴訟も画に描いた餅になってしまう。
 そこで、民事訴訟によって観念的に形成された権利関係を事実的に形成する手続が必要となる。かかる手続が民事執行である。その際、判決がなされてから執行に着手したのでは手遅れになり、権利の実現が危ぶまれる場合、債権者が、予め債務者の財産を差し押さえておくなど、権利の実現を確保するための術がある。これが民事保全である。

2.学修目標

 1)民事保全手続/民事執行手続の流れを把握する。
 2)民事保全法の論点に触れる。
 3)民事執行法の論点に触れる。

3.授業計画

 1)民事保全と民事執行の世界
 2)民事保全/民事執行の機関
 3)仮差押と仮処分
 4)係争物に関する仮処分と当事者恒定効
 5)仮の地位を定める仮処分
 6)満足的仮処分と断行仮処分
 7)債務名義
 8)執行文
 9)請求異議の訴え
10)第三者異議の訴え
11)不動産執行
12)動産執行
13)債権執行
14)非金銭執行
15)担保権の実行

4.テキスト

 和田吉弘・基礎からわかる民事執行法・民事保全法(弘文堂、平成18)

5.参考図書

 1)中野貞一郎・民事執行法[増補新訂5版](青林書院、平成18)
 2)生熊長幸・わかりやすい民事執行法・民事保全法(成文堂、平成18)
 3)上原敏夫=長谷部由起子=山本和彦・民事執行・保全法[第2版](有斐閣、平成18)
 4)伊藤眞=上原敏夫=長谷部由起子編・民事執行・保全判例百選(有斐閣、平成17)
 5)浦野雄幸編・基本法コンメンタール民事執行法[第5版](日本評論社、平成17)

6.成績評価

 学期末に実施する試験(100点)により評価する。

7.オフィス・アワー

 とくに設けないが、質問等があれば、適宜メールで受け付ける。

8.備 考

 とくにないが、「民事紛争処理手続」の単位を取得していることが望ましい。


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