鹿児島における小水力発電の実用化
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鹿児島における小水力発電の実用化をめざす

  平成23年6月から、鹿児島大学大学院人文社会科学研究科地域経営研究センターは、ポンプメーカーのテラル株式会社(本社・広島県福山 市) と連携し、「小水力発電」の実用化をめざす社会実 験を進めています。小水力発電とは、小規模な水力発電 のことで、河川や用水路、上下水道などの水流の高低差を利 用して発電することができます。発電量は小さいですが、天候・時間帯で発電 量が左右される太陽光発電や風力発電と異なり、24時間発 電できるのが特長です。設置が比較的簡単で、発電装置に潤 滑油などを使用した部品がなく、環境に悪影響を与えない という大きなメリットがあります。

代替エネルギーと新しい暮らしを提案

  当地域経営研究センターと重点 領域研究(環境学)チームは、鹿児島が小水力発電に向 いた地域であると考え、以前から実験の計画を温めてきました。
山に囲まれ、起伏に富んだ地形の鹿児島には、水力発 電に適した地域が多く存在します。この地域の電気を小水力発電で賄うことができれば、原子力 発電への依存度を低下させるだけでなく、鹿児島の中山間 地を活性化させる可能性もあります。
将来、小水力発電が普及することで、中山間地では電力が無 料、電気自動車の充電ができガソリン代不要となれば、 人々が積極的に田舎暮らしを選択する時代が来るかもしれ ません。今回の実験は代替エネルギーの可能性だけでな く、新しいライフスタイルの提案まで見据えています。

鹿児島市下田町の農場内に発電装置を設置

  現在社会実験を鹿児島市下田町の巌洞ファームの敷地内で行 っています。(株)テラルの技術協力により、敷地内に発電装置 を設置し、元禄4年に造られた「関吉の疎水溝」の水を5m 下にあるファーム内の発電装置に引き込むことで発電しています。 最大130Wの電力を発電し、敷地内のウェブカメラ やLED灯などへの使用を意図しています。
この実験での画期的なもう一つの側面は、発電装置はテラルの既 存商品であるポンプを応用できたので、技術的にそれほど 難しいことではないことです。では、技術 的な問題がほとんどないにも関わらず、小水力発電の普及 がいまだに進まないのはなぜなのか。水力発電装置を設 置するには、国・自治体の手続きや水利権者などとの交渉 が不可欠で、これが非常に複雑でわかりにくいことです。また、 余った電力を売るためには電力会社などと交渉する必要も あります。今後、当センターでは、年間の発電量等の データを収集・分析しながら、発電装置の設置申請マ ニュアルを作成し、小水力発電の普及につなげていきます。実 験地もさらに増やす予定だ。
H24年12月には、鹿児島県出水市において2件目の実施を計画しています。   一つの発電装置で生み出される電気は、 家庭や集落で使用する電気代の一部を賄う程 度の小さなものですが、その小さな光は大きな可能性 を秘めていると実感します。

鹿児島市下田町の巌洞ファーム
・疎水溝
元禄4年、島津吉貴の時代に造られた関吉の疎水溝。
明治時代、島津家29代 島津忠義はこの水源を活用して日本で最初期の水力発電を行った。
疎水溝

・ファーム
@ファームAファームから疎水溝を見上げる(高低差5m)B発電機
ファーム

・電気の使用例
電気は、敷地内のウェブカメラやLED灯などに使用。

LED


小水力発電の今後の行方
  今後の行方 鹿児島県出水市、高尾野公園内に2件目の発電施設が稼働始めました。順調に発電をしています。(12.12.25)



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